こっそり教える外国語習得のコツ | autentico

2020/11/21 20:38

日本人なら誰しもが義務教育時代に日本語以外の第二言語を学んでいるはずです。今では小学校でも英語を教えるようになりました。大学でも英語を勉強すると仮定すると、多くの人が実に10年程は英語と接しているはずです。しかし日本人は英語が得意か、と聞かれるとそんなことはありません。

外国人が世界を旅する時に考えるのが、「その国は英語が通じるのか?」ということです。それで言うと、日本は”英語が通じない国”に残念ながら分類されています。勿論日本人は親切ですから、街で道を聞かれたら、片言の英語と、ボディランゲージでなんとか説明しようとします。しかし、「英語を話せているか」というレベルで考えると応えは”NO”です。

なぜこんなに時間をかけて英語を学習するのに、日本人は英語が話せないのか。ブラジルに渡って、ポルトガル語を習得する過程でこの謎が解けました。今回は日本人の語学習得について考察します。

言語を目的にしてはいけない。あくまでツールである

まず根本的な問題として、日本で英語を学ぶ人は言語を学ぶ上で一番大事である”想定”が抜けています。どういうことかと言うと、この記事を読んでいる方で、一番最初の英語の授業のときに、「どういう時に英語が必要になるか」、「どんな人と英語で話したいか」という風に、英語を学ぶ意味をちゃんと教わった人はいるでしょうか。

言語はコミュニケーションの”ツール”であって”目的”ではありません。その言語を手に入れた時にその言語使って何をしたいか。その”ツール”を使うとどんなことができるのか。など、その言語の機能について学ぶ必要があります。それこそが言語を学ぶ目的です。しかし、残念なことに、そこにしっかり目を向けている先生は少ないように思います。

アイデンティティを考えられない人は外国語を話せない

言語を話すにあたって次に大事なのが、「自分はどんな人なのか」という自己分析です。日本人は英語が話せないと言われたり、ある程度以上上達しない原因はここにあります。教科書で習う挨拶の次に自己紹介の仕方などを習うと思いますが、この単元は非常に重要です。なぜなら、外国の人は「あなたは誰なの?」ということにとても興味を持ちます。というより、普通に考えて、誰かよくわからない人とは友達にならないですよね。

日本人の多くの人は「自分はみんなと一緒」という世界で最も崇高で、世界で最も理解不能な観念に縛られています。「私なんて別に突出した個性がないし、ただ日常を生きているだけ」と思っている人が多すぎます。断じてそんな事はありません。地球上70億人誰一人として全く同じ人生を歩んでいる人はいないのです。

つまり、英語でしっかり自己紹介できることが、英語を学ぶ上で最も大事な関門となるのです。これは海外で渡り歩く上で避けては通れないアイデンティティの問題とも関連します。ですので、外国語を学ぶ際はここにもっと力を入れるべきです。

外国語習得の鍵はイマジネーション

これができたら次のステップはイマジネーションです。日本で外国語を学ぶ以上、なかなか外国人相手に実践的な練習は難しいと思います。その機会が得られないなら、自分で相手を作り出すのです。自分が話したい仮想の相手をイメージしながら対話していくのです。このイマジネーションは外国語を学習する上で大変役に立ちます。

誰でも今から始められる学習方法は「仮想インタビュー」です。どういうことかと言うと、自分と仮想の相手でインタビュー形式で会話をするのです。「あなたはどこから来たの?」「どこどこから来ました」「何をやっている人なの?」「私はこれをやっています」など、対話形式で文章を組み立てる練習をします。これはできれば声を出してやると効果が増します。発音に向く意識と、文章を組み立てる意識は別なので、それを統合させる必要があるからです。

ここまでできれば、外国語学習の基礎は終了していると言えます。ここから先は、文法や構文を学んだり、語彙力を増やしていくという作業だけです。しかし、以上のことをちゃんとやった人には素地があるので吸収も早いです。また、この基礎だけでもしっかりやった人は、「英語を話せる」と分類できる日本人になっているはずです。

日本人が皆英語を話せる時代は来るのか?

これらが今の日本の外国語教育を行う際に必要なステップだと考えています。机に向かって勉強することをメインに据えてしまうと、コミュニケーションを取るために必要な想像力が鍛えられません。コミュニケーションは当然ですが台本があるわけではないので、どんな話題が飛んでくるか想像できません。それらに外国語で対応できるようになるためには、日本語で会話しているよりも更にイマジネーションが大切となります。

これだけ環境が揃っているにもかかわらず、日本人は未だに英語ができないと言われるのは、教育の現場、特に英語教師の経験不足に起因するところが大きいと思っています。さっさとテストのための英語教育から卒業して、英語を話せる人材を作ることに舵を切ったほうがいいと思います。これだけの教育の水準がある国なのだから、全国民英語を話せるようになるのも遠くない未来に実現できると思っています。